CentOS8にWordPressを導入する
概要
前回の記事「CentOS8でWebサーバーを建てる」の続きです。今回はWordpressをこのVPSに導入していきます。Wordpressを動作させるのに必要なものを公式サイトで確認しておきます。
今回はPHPとMariaDBを導入し、Wordpressを導入していきます。SSL対応は次回に持ち越します。
WordPress要件
- PHP バージョン 7.3 以上
- MySQL バージョン 5.6 以上、または MariaDB バージョン 10.1 以上
- HTTPS 対応
やること
- PHPをインストール
- MariaDBをインストール
- wordpressをインストール
PHPをインストール
WordPressを動作させるのに必要なプログラミング言語PHPをインストールします。PHPは動的なWebページを生成することができるサーバーサイドスクリプトです。wordpress以外にも掲示板やお問い合わせフォームなどの場面で使われています。
remiリポジトリ
PHPはremiリポジトリから取得しますので、先にインストールしておきます。
dnf install -y https://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-8.rpm
phpのインストールと設定
remiリポジトリが利用できるようになったので、本命のPHPをインストールします。
PHPがインストールできたらhttpdを再起動させ、PHPを有効化します。
dnf module install php:remi-7.4
dnf install php-mbstring php-gd php-mysql php-pdo
systemctl restart httpd
PHPのインストールができたらphp.iniを編集し、ファイルアップロード上限を変更します。変更するところは以下の2カ所です。ファイルサイズは環境に合わせて変更します。これだけあればwordpressで写真や画像をアップロードするには十分でしょう。
php.iniファイルは /etc/ 下にあります。
post_max_size = 32M
upload_max_filesize = 32M
MariaDBをインストール
CentOS7からデータベースはMariaDBが標準となりましたので、MariaDBをインストールします。
dnf install mariadb-server
無事インストールできたらデータベースを起動します。ついでにサーバー再起動時にMariaDBを自動起動するように設定しておきます。
systemctl start mariadb
systemctl enable mariadb
初期設定
パスワード設定などの初期設定を行います。MariaDBはmysqlコマンドがそのまま使えます。
mysql_secure_installation
ガイドにそって設定していきます。
現在まだパスワードを設定していないので空欄のままエンターキーで進めます。
Enter current password for root (enter for none):
ルートユーザーのパスワードを設定するかどうか聞かれるので設定しておきましょう。
Set root password? [Y/n] y
New password:
Re-enter new password:
その後、続いて以下の質問に答えて設定は完了です。すべてyで答えておきます。
Remove anonymous users? [Y/n]
Disallow root login remotely? [Y/n]
Remove test database and access to it? [Y/n]
Reload privilege tables now? [Y/n]
以上で初期設定は終わりです。Linux, Apache, MySQL, PHPが揃い所謂LAMP環境の完成ですね。
データベースを作る
WordPress用のデータベースとそれを扱うユーザーを作成します。
rootユーザーでログインして作業を進めます。このrootユーザーはLinuxのrootユーザーではなくMariaDBでのrootユーザーです。
mysql -u root -p
Enter password:
ログインできたらデータベースを作成します。データベース名は後で使うので忘れないようにメモしておきます。
MariaDB [(none)]>create database wordpress_db collate utf8mb4_general_ci;
Query OK, 1 row affected (0.002 sec)
続いてユーザーを作成します。こちらも後で必要になるので忘れないようにユーザー名とパスワードをメモしておきます。
MariaDB [(none)]>create user 'wpuser'@'localhost' identified by 'password';
Query OK, 0 rows affected (0.002 sec)
ユーザーwpuserにデータベースwordpress_dbの権限を与えます。与える権限は「wordpress_db」に対してallです。
MariaDB [(none)]> grant all on wordpress_db.* to 'wpuser'@'localhost';
Query OK, 0 rows affected (0.002 sec)
WordPressをインストール
WordPressをダウンロード
WordPress公式サイトのダウンロードページからリンクをコピーし、wgetコマンドでダウンロードします。ダウンロード先は/var/www/htmlです。
cd /var/www/html
wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
ダウンロードしたものをlsコマンドで確認します。latest-ja.tar.gzというものがダウンロードしたファイルですね。
ls -l
-rw-r--r--. 1 root root 12962621 Jun 11 08:30 latest-ja.tar.gz
ダウンロードしたファイルを解凍します。tar.gz形式のファイルは「tar xf」で展開します。無事解凍出来ていればwordpressというディレクトリができているはずです。
tar xf latest-ja.tar.gz
ls -l
-rw-r--r--. 1 root root 12962621 Jun 11 08:30 latest-ja.tar.gz
drwxr-xr-x. 5 1006 1006 4096 Jun 11 08:30 wordpress
ここまできたらlatest-ja.tar.gzは不要なので削除し、wordpressディレクトリ下にあるファイルを移動させます。
rm latest-ja.tar.gz
mv wordpress/* /var/www/html
rmdir wordpress
権限の設定をしておきます。前回と同様、ファイルの所有者をapacheに、グループをwebftpにして書き込み権限を与えます。-Rオプションを付けることでサブディレクトリにあるファイルも対象になります。
chown -R apache:webftp *
chmod -R g+w *
WordPressの初期設定
ここまできたらVPSでの作業は終了です。ブラウザからVPSにアクセスし、Wordpressのガイダインスに沿ってインストールを進めていきます。
データベース名:wordpress_db
ユーザー名:wpuser
パスワード:wpuserのパスワード
WordPress用に作ったデータベース名とそれを扱うユーザーを入力します。
その後、サイト名や管理者の設定を行い、Wordpressのインストールは完了です。
以上でCentOS8にWordpressのサーバーを立ち上げることが出来ました!